総資産500兆円! 国家の経済規模に匹敵する膨大な資産を抱えるのは、私たちが使う“お札(日銀券)”を発行する日本銀行です。 日銀はこの数年、かつてない勢いでお札を発行し、“国債”などを大量に買い入れ続けています。こうしたことで世の中に巨額のお金を供給しデフレ脱却を果たそうとしているのですが、その結果、日銀の保有資産が急激に膨らんでついに500兆円を超えたのです。一見、日銀がお金持ちになったいい話のように思えますが、実は、深刻な話でもあります。(経済部 新井俊毅記者) 6月2日、日銀は保有する資産が5月末時点で初めて500兆円の大台を突破し、500兆8008億円に達したと発表しました。 この額は国の経済規模を示すGDP(国内総生産)に匹敵します。このうち、国が発行する「国債」が427兆2495億円と全体の85%を占めます。国の借金である国債を、巡り巡って日銀が買い入れている実態が見てとれます