鳩山首相の施政方針演説を読んでみました。率直にいって、作文としても出来が悪い。「いのちを、守りたい」という冒頭の文句は、監修した平田オリザ氏の趣味かもしれないが、演出過剰でちっとも心に響かない。中身が単なるバラマキ福祉にすぎないからです。特に引っかかるのは、冒頭でガンジーの「7つの社会的大罪」を引用している一節です: 理念なき政治 労働なき富 良心なき快楽 人格なき教育 道徳なき商業 人間性なき科学 犠牲なき宗教 これを受けて首相は「二十世紀の物質的な豊かさを支えてきた経済が、本当の意味で人を豊かにし、幸せをもたらしてきたのか。資本主義社会を維持しつつ、行き過ぎた『道徳なき商業』、『労働なき富』を、どのように制御していくべきなのか」と格調高くうたい上げるのですが、芝居としてはクサイといわざるをえない。 今の日本の最大の問題が「道徳なき商業」を制御してゆくことだと首相が考えているとすれば、問