この会議がラピダスを生み出したことは、構成メンバーを見れば一目瞭然だ。例えば、2022年4月に開かれた第5回を見てみよう。 まず、座長を務めるのがラピダスの東会長(当時の肩書はTIA運営最高会議議長)。有識者が3人いる。LSTCでアカデミア代表の五神真氏。同氏は、東京大学の元総長で、理化学研究所の理事長でもある。次に、科学技術振興機構(JST)理事長の橋本和仁氏。同機構は文部科学省から大学などへの助成金出資をつかさどる。最後に、東京理科大学大学院経営学研究科の教授である若林秀樹氏である。 産業界の構成メンバーはラピダスの出資社と重複する。NTTやソフトバンク、デンソー、ソニーグループ、キオクシア、NECといった会社の幹部だ。別日の会議ではトヨタ幹部も加わっており、日本IBM幹部の名前も目に付く。出資額が3億円と少ない三菱UFJ銀行を除けば、全てのメンバーが会議のレギュラー構成員である。