<過酷な現実の一側面を映し出し、「ビジネスパーソンたちは社会に不可欠(エッセンシャル)な存在ではなく、本当になくてはならないのは非正規の女性たちだった」と訴える> 新型コロナウイルスの感染者数が、このところ減少の一途をたどっている。その減り方は不自然ですらあるので楽観視はできないが、なんとか収束に向かってほしいものである。 とはいえ、例えば貧困がそうであるように、既にコロナ禍は多くの問題を生み出してしまっている。これらはコロナ禍が収束すれば解決するわけでもないから、モヤモヤとした気分はどうやっても払拭できない。 『ルポ コロナ禍で追いつめられる女性たち――深まる孤立と貧困』(飯島裕子・著、光文社新書)が映し出しているのも、コロナ禍を発端とする過酷な現実の一側面だ。タイトルからも分かるとおり、クローズアップされているのは、深刻な状況と向き合う女性たちの姿である。 「女性からの相談が多く戸惑っ
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