先進国の多くが本格的な高齢化社会を迎えるなか、企業にとっても高齢者の労働力をいかに活用するかが、いよいよ重要なテーマとなってきた。そんななか、米国に、80代、90代の高齢者を積極的に雇用しながら、高い生産性を維持し、成長を続けているユニークな会社がある。スレンレス製のニードルやチューブなど特殊部品を製造するヴァイタニードル社(マサチューセッツ州ニードハム)がそれだ。なんと従業員48人の約半数が65歳以上の高齢者で、中間年齢は74歳だという。 最高齢者のローサ・フィネガンさん(99歳)は、「この職場がなかったら、ここまで長生きできたかどうかわからない。ここに来れば多くの高齢者に会えていろいろな話ができ、愚痴なども聞いてもらえる。最近は目と足が少し悪くなったが、それでも会社は私にできる仕事を用意してくれる。私を必要としてくれる限り、100歳を過ぎても働き続けたい」と話す。 「体力や視力が低下し