60年前の出来事を詳細に語る元ソ連空軍パイロット、ニコライ・モトフさん=モスクワ州コロムナ市、西村写す元ソ連空軍パイロット、ニコライ・モトフさん。朝鮮戦争開戦直前に撮影中国にあるソ連のパイロットの墓。ニコライ・モトフさんの戦友も眠る=遼寧省大連市旅順口区、西村写す ※写真をクリックすると拡大します 「明日、私服に着替えて列車に乗るように」 モスクワ州コロムナ市在住のニコライ・モトフ(89)は1950年5月、突然、上官から命令を受けて列車に乗った。モスクワに近いカリーニン(現トベリ)にあった航空師団の戦闘機パイロットだった。 部隊に配備されていた約40機の戦闘機「ミグ15」も分解されて貨物列車に積み込まれた。当時の最新鋭だ。ワイシャツなどが政府から支給された。行き先も任務も一切不明だった。極秘の指令だと悟った。 シベリア鉄道を東へ走り、1週間後に着いた場所は中国・瀋陽。街では無数