1ケ月くらい前のことだろうか。 遠出するのに東京駅で人と待ち合わせした時(確かこの勝浦への取材のときだった)、朝早かったのでまだゴハンを食べていなかった。 総武線ホーム近くの小さな売店には、サンドイッチが並んでいた。ハムサンド、たまごサンド、カツサンドなんかに並んで……ピンク色のパンを見つけた。 ピンク色のパンには、赤いいちごと、白い生クリームがはさまっていた。 「うっ」 見た瞬間、クラっときた。 一緒にいた友人も、同じようにクラっときたようで、思わず顔を見合わせた。 「……いちごですね」 「……いちごですよ」 「そんな季節になったんですねえ」 「食べます?」 「食べます食べます、半分こしましょ!」 いちごサンドイッチ……春しか売っていない、魅惑の食べもの。 お惣菜パンとペットボトルのお茶も一緒に買って、電車に乗り込む。 発車したとたん、まずはいちご、いちごサンドを食うのだ! と、サンドイ