今からちょうど60年前、ポーランド北東部の小さな町、イェドヴァブネで、ユダヤ人の大量虐殺が行われた。約1600人のユダヤ人が、生きたまま焼き殺されたのである。これまで、この虐殺はナチスドイツ軍によって計画され、実行されたとされてきた。 ところが最近になって、実際に手を下したのは、ドイツ軍ではなく地元のポーランド住民だったと言う説が浮上した。このニュースはポーランド中に強い衝撃を与え、その後激しい議論を巻き起こした。 ポーランド人たちは自分たちを、大国のエゴの犠牲者、蹂躙されてきた被害者として捕らえている。彼らに加害者としての意識はない。今回の報道は、この彼らの認識を覆しかねないものであった。 またこれは、今まで目を向けようとしてこなかった、ポーランド社会の片隅に吹き溜まる嫌ユダヤ感情についても、ライトを当てることになった。 イェドヴァブネについては、まだ結論を出すには早すぎる。早すぎ