読者の皆さんの中には、「ドイツの労働時間は、日本に比べて短い」と感じている方もおられるのではないだろうか。 •日独間の労働時間に大きな差 経済協力開発機構(OECD)の統計によると、日本では就業者1人当たりの1年間の平均労働時間が1745時間(2012年当時)だった。これに対し、ドイツは1393時間と約20%も短く、日本人より年間で352時間も短いというのだ。352時間といえば、およそ14日間に相当する。 ドイツは、世界でも労働時間が最も短い国の1つだ。OECDの調査の対象となった35カ国の中で、オランダに次いで短い。一方、日本の年間労働時間は35カ国の中で8番目に長い。OECDによると、ドイツの1時間当たりの労働生産性は日本よりも高いが、その理由の1つに労働時間が日本よりも短いことが挙げられる。労働生産性は、国内総生産(GDP)を労働時間で割って算出されるからだ。労働時間が短くなればなる