ノーベル文学賞作家、川端康成(1899~1972年)が27歳で発表した初めての新聞小説が、17日までに“発掘”された。全集や年譜に収録されておらず、研究者もほとんどその存在を知らなかった。 小説は、昭和2年4月11日から5月2日にかけて計4回、福岡日日新聞(現西日本新聞)に連載された短編「美しい!」。2年後に川端が発表した小説「美しき墓」に内容やテーマが類似しており、この作品をもとに書き直した可能性がある。 福岡市文学館の広報誌「文学館倶楽部」の編集を手がけた坂口博さん(59)が数年前、福岡日日掲載の小説をリスト化する中で見つけ、立教大文学部の石川巧教授が調査した。 これまでは昭和2年8月から中外商業新報(現日本経済新聞)で連載した「海の火祭」が、最初の新聞小説とされていた。