Joel Spolsky / 青木靖 訳 2005年5月11日 水曜 私が最初の本当の仕事をはじめたのは1983年9月に遡る。それはオラニムというイスラエルの大きな製パン工場で、16台の飛行機ほどもある巨大なオーブンで、毎晩10万個のパンが作られていた。 はじめて工場に入った時、そのあまりの汚さに信じられない思いだった。オーブンの側面は黄ばんでいるし、機械は錆びていて、そこらじゅうが油だらけだった。 「いつもこんなに汚いの?」と私は聞いてみた。 「なんだって? なんの話をしてるんだ?」とマネージャが答えた。「掃除したばかりだから、今が一番きれいな状態なんだ」 なんてこった。 毎朝の工場の清掃を何ヶ月か続けて、ようやく彼らの言っていたことが理解できるようになった。パン工場では、きれいというのは機械にパン生地が付いてないことを言うのだ。きれいというのは、ゴミ箱に発酵したパン生地が入ってないこと
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