10月22日の衆議院総選挙に向けて、与野党ともに全くと言っていいほど触れていない肝心なことがある。それは、「対米従属論」についてだ。 総選挙後は、改憲勢力が拡大するだろう。となると、これから憲法改正に向けて議論が進む可能性が高い。そこで絶対に避けてはいけないのが、対米従属論である。 今、ベストセラーになっている、ノンフィクション作家・矢部宏治氏の新刊『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)で、この問題が詳しく指摘されている。 例えば、日米地位協定というものがある。1983年12月に外務省が作成した高級官僚向けの極秘マニュアル「日米地位協定の考え方 増補版」には、次のような箇所があるという。 繰り返すが、これは83年の話だ。敗戦後の占領下時代(ポツダム宣言を受託した1945年からサンフランシスコ講和条約が発効した52年まで)の話ではない。もちろん、今もその内容は全く変わ