自然の猛威は時に想定を上回る。地震国、日本の建築は、次々に現れた課題を克服すべく、技術面・制度面で進化してきた。だが、災害は弱点を狙い撃ちするかのように突いてくる。熊本地震では、耐震化の重要性という原点が改めて問われている。6月14日に発売になったムック「検証 熊本大地震」から、地震被害の歴史と教訓を読み解く。 日経アーキテクチュアが報じた国内の主な地震を対象に、規模や被害を図化した。6月14日に発売になったムック「検証 熊本大地震」に掲載している(資料:日経アーキテクチュア) 熊本地震の発生から1週間後、取材班の第2陣として、熊本県益城町から熊本市にかけての被災地を取材した。地震発生以降、被害状況は様々なメディアで伝えられており、被害のひどさは第1陣で東京から急派した記者から聞いていた。だが、実際に現場を歩いたとき、目の前に広がる光景にショックで呆然となってしまった。 2月に起こった台湾