・5月なかばに大阪の画廊モモモグラで開催された「華倫変没後20年追悼原画展」へ行って来た。展示替えの情報を見落としていたので赴いたのは前期だ。華倫変の単行本で手許にあるのは、短編集の『カリクラ』講談社版のみだが、気になる作家ではあった。 ・会場には参加者が書き込めるノートがあり、華倫変への思いや出会いが書き込まれていた。2000年代はじめに地方の大学の漫画研究会で先輩から、いくつかのバンドの名前とともに華倫変の名を教えてもらったエピソードが印象に残った。華倫変はまさしくそういう作家であった。個性も強いが、時代背景とともに語りたくなる。きわめて90年代的な作家だ。 ・華倫変との出会いは2000年代なかばに友人から教わった。住んでいた練馬区のアパートに友人が泊まりに来た。夜、飲みに行こうと池袋へ出て和民に入った。頼んだ和民サラダは大椀に野菜と大量のツナが乗っており、480円は当時の経済感覚では