勝間和代(以下、勝間) 日本企業の場合、社員の強みはほとんど無視する状態です。弱点を克服・矯正しようとする文化があります。世界ではどれくらいの割合の企業が社員の強みをベースにした人事戦略を採っているのですか。 トム・ラス(以下、ラス) 我々のデータベースから算出すると、3社に1社の割合となります。ですので、30%くらいでしょうか。これが世界的な数字になります。翻って日本の場合は15%にとどまります。言い換えると、日本では海外企業の社員に比べて、自分の強みを日々発揮する機会が半分以下に抑制されているわけです。社員の強みを尊重している日本企業はまだまだ少数派ということです。 強みをベースにした経営が日本の競争力を高める 勝間 そのせいもあるのかもしれません。日本の国際競争力が低下しています。スイスのIMD(国際経営開発研究所)によると、日本は22位。ここからどうやって競争力を高めていけばいいの