新たな将棋課題の開発と脳の活動の測定から、プロ棋士では、盤面の知覚から手の選択までの過程にわたって、アマチュアにはない特徴的な知見を見いだすことができました。脳波測定からは、プロ棋士が複雑なパターンの知覚においても単純な刺激と同程度に素早く判別する回路を持つことが示唆されました。fMRI測定からは、プロ棋士が盤面の知覚については頭頂葉背内側部(楔前部)に、次の一手の直観については尾状核頭部に、特有の活動が見られました。大脳基底核は、これまで繰り返しの学習で言葉にできない操作の記憶形成に関与することが知られていました。プロ棋士では、複雑な盤面の情報を瞬時にまとめる能力と、こうしたことばにならない記憶の部位とが連携することで、複雑な課題での直観思考が実現すると考えられます。大脳と小脳が、連携する回路が将棋課題での直観思考のどのような側面に寄与するか、現在検証が進行中です。  本プロジェクト研究はまだ継続中ですが、今後さらに知見を積み重ねることで一連の回路の働きとして直観思考を解明する道筋が見えてきたと考えています。将棋における直観思考の解明は、文化の中で育てられた脳の働きの解明、人間に固有の知性解明への突破口となり、またその成果が教育や情報技術として広く展開されることが期待されます。富士通は、情報通信技術が未開拓の分野に、この研究成果を適用していけることを期待し、本プロジェクトに協力していきます。

YTPXYTPX のブックマーク 2009/01/22 13:00

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