2月17日の福岡地裁判決は、パチンコ店経営会社がおこなった会社分割が乱用的であるとした整理回収機構(RCC)の訴えをほぼ全面的に認め、同社に対し約6億4000万円の支払いを命じる判決を下した。この判決は、昨今相次ぐ会社分割の乱用に対する司法判断として重要な先例であり、昨年5月の東京地裁判決に続き注目されている。 会社分割による企業再建につき、一般の理解を促すために簡略化すると、下図のようになる。 要するにこれは、融資を受けた金融機関への債務を分割会社Aに置き去りにして、採算事業を会社分割により切り離し、負債の軽い新設会社A’で運営するという企業再建手法なのだ。中小企業の場合、代表者のほとんどは金融機関への債務の連帯保証をしているが、個人として破産や民事再生など一定のサンクションを覚悟さえすれば、事実上、企業としては借金の棒引きを成しうる。この制度は、90年代にゾンビ企業の延命で遅れた金融機
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