夏休みが明けると同時に、先生の怒号が教室の鉄筋をも震わせた。 「それなら私にも考えがあります。放課後にお知らせするとしましょう」 激増した宿題の量 ことの発端はというと、クラスメイトの実に1/3が夏休みの宿題をなんらかの具合で仕上げなかったからだ。 小学五年生の夏休みが明けて最初の登校日であった。 この日を境に、俺たちは先生が憎くて怖くてたまらなくなった。 「はい、それでは夏休みの宿題を回収します。みなさん立ち上がって下さい。いまから指定する机の上に、それぞれの課題を重ねていってください。」 レストランのバイキングを思い起こすとわかりやすい。夏休みの計算ドリル、漢字ドリル、自由研究(提出するかどうかは自由ではない)、調理レポート、その他細々とした提出物を、それぞれ決められたスペースに規則正しく置いていくという作業だ。 その作業が終了し、先生が回収のために束になった課題たちを見て、だんだんと