例えば為替ヘッジして米国株を100万円買う場合と、為替ヘッジせず米国株を100万円買う場合と、どちらも突っ込むのは同じ100万円であって、前者から後者に乗り換えて追加的に米ドルのエクスポージャを得ようとするとき、追加的に円の残高は要求されない。当たり前の話なのだが、このことがポートフォリオ評価における為替リスクの扱いを、すこしだけわかりにくくするのは、要するに米ドルのエクスポージャを「資産クラス」とは考えにくい。 別の言い方を試みるなら、外貨預金は(残高を要求される)円の預金と(残高は要求されない)米ドルのエクスポージャの組み合わせだと思うと、副次的に為替と金利差の関係が肌で感じられるかもしれない。あるいは各種デリバティブズを連想される方もいるかもしれないが、ともあれ残高のないリスクは無数に存在していて、その身近な代表選手として為替が挙げられるだろう。残高など放っておいてリスクを対象として