ケーキを選ぶ感覚の「文庫本セット」。9月までの予定だが、期間延長も検討している=東京・南青山のスパイラルカフェ(写真:産経新聞) 出版不況が叫ばれる中、書店以外で新刊本を売る動きが活発になってきた。おしゃれな洋服や雑貨の横に小説を並べて思わぬヒットを飛ばしたり、カフェのメニューに文庫本を加えたり。ネット書店にはない“偶然の出合い”を巧みに演出し、読者を掘り起こす作戦だ。(海老沢類) 特製カバーを付けた文庫本が、お皿に載って運ばれてくる…。東京・南青山にあるスパイラルカフェが4月に始めた「文庫本セット」は、文庫本1冊とドリンク1杯で1350円。「本とコーヒーの相性は抜群で、反応も上々」(同店)。夕方5時以降の限定メニューだが、若い女性を中心にほぼ毎日注文が入る。 仕掛け人は、書店のプロデュースを手がける「numabooks」代表の内沼晋太郎さん(28)。「ふらりと立ち寄ったカフェのメニュ