長野県東御市で「宅幼老所おひさま」を運営する吉田周平さんである。 空き家になっていた民家を借り上げて手を加え、手作りのデイサービスを2008年から始めた。食事や入浴に困っている要介護のお年寄りの面倒を見たり、介護は必要ないが話し相手がほしいというお年寄りが集まって日中、茶のみ話ができる場所を提供している。 自分で歩いて来られないお年寄りには市内の人なら無料の送迎サービスも行っている。ここが面白いのはお年寄りだけではなく、共働きで小さな子供を預ける場所がない夫婦のために、幼い子供たちも預かってくれることだ。 「定年退職して田舎に戻ったら、東京では肌身に感じることがあまりないような日本の問題が見えてきたんです。日本の高齢化のスピードでは、行政に頼っていたら何も解決できないと思いました」と吉田さんは言う。 そこで、自分たちでできることは自分たちでやろう。皮肉なことだが幸いにも古く開発された住宅地