これは自暴自棄なのか。それとも計算ずくの行動なのか。北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を含むミサイルを連続発射した。国際社会の警告を無視し、対決への道を突き進もうとしているかのようである。 米アラスカ州まで到達可能とされたテポドン2号の発射実験は失敗したとされる。国民が飢える中でのこうした高価なミサイル発射は、まるで貧窮国家の花火大会ではないか。米国の金融制裁で深刻な打撃を受けている北朝鮮が、譲歩を求めるための頼みの「威嚇カード」は使いものにならなかった。世界の嘲笑(ちょうしょう)を買う愚行である。北の国民への同情を禁じ得ない。 しかし、こうした愚かな挑発を平気で行う国家だからこそ、現実的な脅威は大きい。そのことを日本人は特に肝に銘じなければならない。 愚行をこれ以上繰り返させないようにするには、制裁行動がカギを握っている。北朝鮮のこれまでの瀬戸際戦術は結果として見返りを受けてきた