昨日は毒きのこの恐ろしさを紹介したが、その毒きのこを試食する人たちがいるという。下記文章は、政直彦「毒をくらわば キノコ試食体験記」(「くさびら」19号(神奈川キノコの会)1997年5月号)より。 試食体験(何れも煮食) ヒカゲシビレタケ 傘1〜2cm 19個12g 食後30分程して嘔吐(1回のみ)、視界全体が淡いオレンジ色となる。ブラインドが波打ち、床の板目が川のように蛇行する。机、椅子などの家具がうごきまわる。壁の時計が逆回りしているように感じる、楽しくなる、誰かがトイレ、洗面所、冷蔵庫の中に潜んでいるような気がする。そして居るはずのない鬼ごっこの子供を呼びながら探し回る、そしてベッドに横たわり笑いはじめる、それは腹の皮がよじれるほどで、他人の耳を意識して声を殺そうとするのでかえって心地よい苦しさが倍加、笑い転げてのたうちまわりつつ食後約2時間ほどでそのまま寝入ってしまう。 ベニテング