刺さって抜けない放送になったらいいなと思って そう源さんに言われた夜を覚えている。どころか、その放送の一部を録音した音源は眠れない夜の毛布みたいに使い込んで、これまで、何度も何度も聴いてきた。若林さんと源さんが笑い、喋るその放送が大好きで、大切で刺さって、時々思い出す、いざという時に取り出すお守りのような放送だった。 そういう意味で「リトルトゥースか」と問われると曖昧に微笑んでしまうようなところがある。 だというのに、今までの自分なら「自分よりもあの会場にいるべきひとがいるし」なんて怯み続けただろう奇跡みたいな場所に、「私がここに来たくて来たんだよ」と思いながら開演前、座っていることにびっくりした。だけど、どうしたってそうだった。浅い年数も、もちろん、そうなんだけど。だけど、私はあの夜の時間が好きで、彼らが好きで、だからここにいるんだよ。 最初に興味を持ったのは2021年、9月7日の星野源