映画の優れた書き手/語り手は映画の世界の外部にもいる。いや、むしろ外部にこそ刺激的で新鮮な視点を提示してくれる論客がいるのではないだろうか? それが『リアルサウンド映画部』を発足させる上での大きなテーマの一つだった。元『SNOOZER』編集長にして、現在も『the sign magazine』クリエイティブ・ディレクターとしての活動をはじめとして音楽シーンに根強い影響力を持つ田中宗一郎氏の登場は、その意外性も含め、きっとその目論見を正当化してくれるに違いない。長年、近いようで遠い、遠いようで近い場所で仕事をしていた田中宗一郎氏との会話は、アメリカのポップカルチャーとの出会いから、日本でも現在大ヒット中の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』評、そして2010年代に入ってからさらなる空前の活況を呈しているシリーズ/リブートSF作品の今後に対する期待と懸念まで多岐に及んだ。(宇野維正)
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