理容・美容店に洗髪設備の設置を義務づける条例改正案を福島県が2月県議会に提出し、波紋が広がっている。県は「衛生上の観点から改正すべきと判断した」と説明するが、「カット1000円」などをウリにしてきた激安店側には「洗髪設備がないだけで衛生上の問題があるのか疑問。業界団体の圧力に県が屈したのでは」と反発も広がっている。県、業界団体、激安店、それぞれの思惑を探った。(小野田雄一) 条例改正のきっかけは、「県理容生活衛生同業組合」と「県美容業生活衛生同業組合」が昨年に合同で県議会に提出した「衛生上の観点から、理容店と美容店に洗髪設備の設置を義務づけるべき」などとする誓願書だった。 県議会は全会一致でこの誓願を採択。これを受け県は条例改正の検討を進め、議会に改正案を提出した。 誓願の意図について、県理容生活衛生協同組合の中野竹治理事長(66)は「理容師や美容師は公衆衛生の一端を担っている。もし客の髪