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2013年7月21日のブックマーク (2件)

  • 『浪漫疾風録』生島治郎 講談社 - 押入れで独り言

    生島治郎が早川書房編集者時代の思い出を、小説仕立てに書いたもの。 じつはこのは、単行のとき新刊で買ったまま、ずっと積読状況だった。1993年からだから、13年間寝かせていたことになる。寝かせていたからといって、味がよくなるわけでもないが、もともとが思い出話だから、腐るわけでもない。なぜ、思い出したように読んだかというと、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で検索していて、生島治郎の項に次のようなおかしな記述を見つけたからである。 初代編集長中田誠一のもとで、江戸川乱歩監修による日語版『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』の編集に従事。のち、中田の辞職に伴って新編集長都筑道夫を迎えた。 ここで名前が出ているEQMM日語版の初代編集長という「中田誠一」が疑問だった。通常、語られるEQMMの歴史では、都筑道夫が初代編集長となっている。もちろん、よく知られているよう

    『浪漫疾風録』生島治郎 講談社 - 押入れで独り言
  • 宮田昇『新編 戦後翻訳風雲録』を読む - mmpoloの日記

    宮田昇『新編 戦後翻訳風雲録』(みすず書房)を読む。これが滅法おもしろかった。著者は早川書房に勤め、のち著作権代理店のタトル・モリ エージェンシーに移り、その後海外著作権エージェントの代表者になる。 宮田が付き合った翻訳者で、まず田村隆一が語られる。田村は戦後詩人の偉大な3人の一人だ(他は鮎川信夫と吉隆明)。その田村を宮田は激しく糾弾する。田村隆一は金に困り、ある計画を立てる。 田村はまず、再婚を宣言し、ずいぶん先の結婚の日を定め、つぎに式場を予約しながら、やたらに吹聴して、花嫁のいない披露宴招待状もどきを配り、著者、翻訳者、友人、出版社から祝い金を集めまくって、飲んだりして散じた。(中略) 結婚式と予告してあった日が、1、2か月後に迫ったとき、さすがの田村も慌てた。思いあまって相談したのが福島(正美)であったという。ほっといて、人格的にも財産的にも破産者であることを知らしても、おそらく

    宮田昇『新編 戦後翻訳風雲録』を読む - mmpoloの日記