今回の英総選挙の意義や争点について、英国の選挙研究で知られるランカスター大のデービッド・デンバー名誉教授(70)に聞いた。 ◇ 保守、労働両党の得票は合計で六十数%だが、無投票者を含めた全有権者の50%未満にとどまる見込みだ。2大政党制のモデルはもはや英国には存在しない。 保守党は景気回復(の実績)を強調するが、支持率は伸び悩んでいる。減税などを期待する本来の支持層を疎外し、英国独立党に支持が流れているためだ。 労働党は国民皆保険(の充実)を争点に掲げるが、ミリバンド党首の不人気が問題だ。キャメロン首相のように有権者へ訴える力がなく、「ミリバンド首相」というイメージが湧かない。 独立の是非を巡る昨秋の住民投票で敗れたスコットランド民族党(SNP)の台頭は驚きだ。独立論は(北海油田からの)原油収入に依存するが、SNPの支持率は原油価格の下落にもかかわらず高い。 SNPや英国独立党への投票は政