神戸製鋼所の品質検査データの改ざん問題で、本社がある地元・神戸の社員や元社員にも動揺が広がっている。毎日新聞が入手した社員向けの内部文書では、今回の問題を「創業以来の最大の危機」として全社一丸となるよう呼び掛け、悲壮感を漂わせている。 神戸港に面する同社の神戸製鉄所(神戸市灘区)。阪神大震災で大きな被害を受け、復興を果たしたことでも知られる。「今、世間からの『信頼』を失っている」「信頼回復には大変な努力が必要」。ある部門で14日付で回覧された文書にはこんな言葉が並ぶ。そして「誠心誠意をもって取り組めば苦境は必ずや乗り越えられる」などと記されている。 文書を目にした50代男性社員は「なぜごまかしていたのか。現場で働く者として理解できない。一生懸命仕事しているのに『なんでや』という気持ちです」と憤る。1970年代に入社。今回の改ざん問題に直接関わる部署ではないが、入社当時と比べて近年は過度な成