著者エッセイ 単行本 - 自然科学 前作で毎日出版文化賞受賞!気鋭の生物学者の最新作『進化の法則は北極のサメが知っていた』著者エッセイ 渡辺佑基 2019.04.11 科学者が一般向けの本を書くということ。 科学者が一般向けの本を書くという慣習は欧米にはないらしい。あちらの科学者が本を書くとしたら、それは大学生向けの教科書であって、自らの体験を交えながら面白く科学を語るような本ではない。そういう本を書くのはサイエンスライターと呼ばれるプロの書き手の仕事とされている。 ひるがえって日本では、大学や研究所に所属する科学者が当たり前のように一般向けの本を出版している。サイエンスライターが不足しているからなのか、日本の科学者が出しゃばりだからなのかは知らないけれど、とにかくそういう慣習というか風土がある。そして古くは寺田寅彦、最近では福岡伸一に代表されるような、科学者でありながら文学的素養を兼ね備