2020年5月25日、アフリカン・アメリカンのジョージ・フロイド氏が白人警官によって死亡させられた事件をきっかけに、大規模なデモが発生。「ブラック・ライブズ・マター運動」が、アメリカ全土を巻き込み、広がっている。 2013年に端を発し、再び大きなうねりを見せているこの運動を、アーティストの動きや楽曲を基点にしながら掘り下げたい。今回も世界の音楽シーンに精通するライター渡辺志保と、多彩なカルチャーに横断的な視点を向ける荏開津広に語ってもらった。 もはやHappyではいられない。ファレルの変化から垣間見えるBLM ―ブラック・ライブズ・マター運動が再び盛り上がりを見せて、4か月経ちます(参考記事:米歴史家が語る、警察の暴力と黒人の歴史。そしてBLM運動)。この4か月を振り返って、どんな思いを抱きましたか? 荏開津:ラッパーのダースレイダーさんと社会学者の宮台真司さんがやっている配信で、宮台さん