【発表のポイント】 ・化学反応は化学の主役であり、その峠である遷移状態の知見は反応の深い理解につながる ・コンピュータによる遷移状態探索は計算量が多くなりがちである ・本研究の新手法は従来法比5~7割の計算削減を達成した ・これまでより速く遷移状態を探索することが出来るようになり、多くの物質科学研究の加速が期待される 【概要】 分子科学研究所/総合研究大学院大学の甲田信一助教と斉藤真司教授は、化学反応の峠に相当する遷移状態を高い成功率で効率よく探索する新たな計算手法を開発しました。本研究の手法はほとんど失敗することなく従来法比5~7割の計算削減を達成しました。 本研究成果は、国際学術誌『Journal of Chemical Theory and Computation』に、2024年3月21日付でオンライン掲載されました。 1.研究の背景 化学反応ではエネルギー的に安定な物質が不安定な状