中国のネット環境といえば、政府による検閲や統制で不自由なもの……。日々の報道を追いかけていると、なんとなくそんな認識を持つようになると思う。では、具体的にどれだけ不自由なのか。そう聞かれたら、答えに窮する人も多いのではないか。 11月6日にNHKのBS1で放送されたドキュメンタリーWAVE『沸点ーー中国ブロガー ネットの中の攻防』は、その具体例を紹介する内容の番組であり、見応えがあった。番組では、ふたりの中国人ブロガーにスポットを当てて、中国におけるネット環境の不自由さを表現していた。 ひとりめは、元新聞記者のA氏。あまりにも書きたい内容の記事が書けないので退職し、自宅からニュース評論を発信している。記事によっては、1日のアクセス数が10万を越えることもあるという人気ブロガーで、週に一度は大学でメディア論の講義もしている。国内の報道がいかに政府の統制下にあるのかを、学生たちに語っていた。