松本俊彦先生が上梓された、「もしも『死にたい』と言われたら 自殺リスクの評価と対応」を読みました。ほぼ同時期に私も、「患者から早く死なせてほしいと言われたらどうしますか?」を書き上げ、出版にこぎつけていました。その本で患者の自殺や希死念慮について述べましたので、松本先生の本も早速読み、また自分の考えと対比してみました。 私自身、病室での患者の自殺に遭遇した経験から、自殺を予防することは、患者の命を守ることだけではなく、残された家族、発見した医療者(主に看護師)を守ることだと確信し、それ以降自分の臨床で大切にしてきたテーマです。本当に患者が「死にたい」と考えているのか、それが100%全ての気持ちなのかという疑問もありますし、自殺を予防するために自分がなすべき役割についても模索してきました。 松本先生の本でも実践的な方法が沢山書かれています。隠された自殺念慮に気づくにはでは、深刻な自殺念慮ほど