前にウェルベックの「素粒子」を勧めてもらい、一応読み始めはしたのですが、あまりに粘着的な文体にいささか参り、放り出したままなのが心残りなこの頃です。感想も述べられず、痛み入るばかりです。 ただ、序章で主人公が、自分の送別会に、「二人に一本しかシャンパンが用意されていない」という事をもって他者からの評価を否定的に推し量る記述があり、そうか、フランス人は二人に一本のシャンパンでは満足しないのだ、というかなり実用的知識が得られたのは幸いでした。 考えて見れば、我が家の正月など、娘二人が帰ってくれば、元日と2日だけでシャンパン1ダースは確実に消費されますものなぁ。正月明けの初めてのごみ回収日など、20世帯以上あるマンションの資源ゴミ回収場所の8割は我が家のワイン瓶で占められるのが気恥ずかしい。 ところで先日、つかこうへいの「熱海殺人事件」が紀伊国屋ホールで上演されていたのをM、K夫婦と観に行きまし