今となってはあまり現実的な話ではないかもしれないが、一昔前は「デビューアルバムでオリコン1位!」なんてことを目標に掲げていたミュージシャンも多かったはず。しかし、果たしてそれはミュージシャンにとって本当に幸せなことなのだろうか? まだミュージシャンとしてのアイデンティティーも定まらないままに、何らかのブームやプロモーションの力によってチャートに押し上げられた結果、その波が去った後には何も残らなかった……。そんなケースはこれまでも数多く繰り返されてきたように思う。 アメリカを拠点に活動するシンガーソングライターのエミ・マイヤーは、2009年4月にリリースされたデビュー作『キュリアス・クリーチャー』以来、毎年春の訪れと共に作品を発表し、新作『ギャラクシーズ・スカート』は彼女にとって4枚目のフルアルバムとなる。初の外部プロデューサーとして、ジョン・メイヤーのサポートギタリストとしても知られる大物