日本におけるワイン造りの歴史とマルスワイン 我が国のワイン造りの歴史を紐解くと、明治に入ってすぐの頃、山梨県の甲府にブドウ酒共同醸造所を設け、醸したのが最初の国産ワインとされている。そこからは新政府の殖産興業政策により、矢継ぎ早にワイナリーが設立されることとなるのだが、小さな民間のワイナリーが資本もなしにいきなりワイナリーを設立することが困難であることは今のご時世と変わらないだろう。当時、醸造技術や設備の整った環境を持っているとなると自然と限られてくる。日本酒の造り酒屋である。民間ワイナリーは造り酒屋から転換、もしくは平行して開設したところが多い。 だが、マルスワインの場合は事情が少し違う。時を同じくして、やはり殖産興業の目的で設立された本坊酒造は焼酎の製造業である。さつま芋の産地として名高い鹿児島の地に、まさに本坊酒造の経営理念である「地域に根ざし、地域の資源を活用」した本格芋焼酎を造っ