岸田文雄首相が信頼を寄せていた荒井勝喜首相秘書官(当時)が性的少数者や同性婚をめぐる「差別的発言」で更迭されてから1カ月。取材者側が録音・録画せず公表しないことを約束した「オフレコ」での発言を最初に報じた毎日新聞には、様々な角度から賛否の声が向けられている。“オフレコ破り” の擁護派からは「差別発言をする人物が首相周辺にいることを報じるのは公益性がある」「メディアの使命と役割」と讃えるような意見が見られるが、それを報道した記者がまもなく “異動” することになると知ったら、どう思われるだろうか。 首相のスピーチライターとされた荒井首相秘書官が更迭されたのは2月4日。前日の3日午後11時前に毎日新聞がニュースサイトで配信した記事がきっかけとなった。「首相秘書官、性的少数者や同性婚巡り差別発言」と題する記事は320字程度で、経済産業省出身の荒井首相秘書官が3日夜、記者団の取材に「僕だって見るの