前回まで、少子化対策について考えてきた。東京大学の赤川学教授、そして中央大学の山田昌弘教授はインタビューで、これまでの少子化対策にはほとんど有効性がなかったと指摘。それを踏まえ、どのような政策が望ましいか、読者の皆さんにコメント欄で議論していただいた。 今回は、少子化対策から「女性活躍(ジェンダーギャップ解消)」にテーマを移す。インタビューしたのは、ジェンダー問題の第一人者である社会学者、上野千鶴子氏。菅義偉政権は、安倍晋三前政権から「女性活躍」を目指す政策を引き続き推進する姿勢を打ち出している。上野氏は、日本の現状と対策について、どのように考えているのか。2回に分けて掲載する。 2019年末に世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数ランキングでは日本は153カ国中、過去最低の121位となっています。「女性活躍」の現状をどのように見ていますか。 上野千鶴子氏(以下、上野氏):ぼう