戦時下の「動員ポエム」を思い起こさずには…… 実質的には動員の呼びかけなのだが、自発的な参加をたくみに偽装している。筆者は、これで戦時下の「動員ポエム」を思い起こさずにはおれなかった。 ◇ 敵アメリカの戦意と戦力は頂上に達してきたぞ 我々はどうだ 今年こそは生やさしい年ではない 坐して戦ひに勝てようか 心も物もなほ一層締めてかゝるのだ 誰が それは僕なのだ、君なのだ、あなたなのだ ◇ 「それは僕なのだ、君なのだ、あなたなのだ」。『写真週報』1943年1月6日号より(アジア歴史資料センター所蔵)。 政府広報誌と「動員ポエム」 上掲の「動員ポエム」は、『写真週報』1943年1月6日号の「時の立札」に掲載されている。 『写真週報』は、日本政府が発行した週刊のグラフ誌である。日中戦争下に創刊され、アジア太平洋戦争時には平均約30万の部数を数えた。 その狙いは、1938年2月23日号の「映画