2004年 夏、アーサー王伝説を題材にした映画――「キング・アーサー」が公開された。 よくあるロマンティックなアーサー王伝説、ではなく、ある程度、歴史に忠実に描こうとしたことが斬新だったが、それにしては人物名が英語だったり後世の付けたし設定を採用してたり、まるきり新しく物語を作り直す、というには力不足が目だった。 また、そもそも「King」という名称からして当時のブリテン人は使ってない。(kingは英語。英語は、アーサー王の属するブリトン人の「敵」だったサクソン人の言葉) タイトル負けの部分もあったのか、映画ファンからはイマイチの声も上がった。 ただし、アーサー王映画としてではなく、アーサー王が生きて「いた」とされる5世紀末から6世紀の、ブリテン島の歴史を描く映画としてみるならば大変面白い。あまり馴染みがない時代かもしれないが、映画を楽しむために少し解説を付け加えてみる。 アーサー王伝説に