ジョージ・A・アカロフとロバート・J・シラーの2人による『アニマルスピリット』(山形浩生訳、東洋経済新報社)をおもしろく読んだ。主にマクロ経済に対する人間心理の影響を説いた好著だ。これまでの経済学が扱わなかった重要な要因として、「安心」「公平」「腐敗と背信」「貨幣錯覚」「物語」の5つについて語っている。いずれもおカネの運用に関係する概念なので、その観点から読んでもおもしろいのだが、特になるほどと思ったのは、人は対象や状況が「安心」であるか否かによって極端に行動が変わるという指摘だ。 人はリスクとリターンのバランスを厳密に比較するようなかたちで意思決定するのではなく、「それは安心か?」というレベルで安心できれば、たとえば住宅ローンを組むし運用商品にも投資する。逆に、「安心」が損なわれると、リスクに対する態度は急変し、金融機関同士はおカネを貸さなくなるし、個人は消費行動を萎縮させて、マクロ経
金融事故を起こしてクレジットカードの審査が通らない、いわゆる「ブラック」に陥っても作れるカードが登場した。世界ナンバー1のカードブランド「VISA」が国内展開するVISAデビットカードがそれ。しかし、システムの盲点を突いた悪用が懸念され、カード発行会社にとっては大々的PRにも二の足を踏む、恐る恐るの事業展開なのだ。 デビットカード(以下、デビカ)は、代金後払いのクレジットカード(クレカ)と違い、自分の預金口座から残高の範囲内で即時決済されるのがウリだ。「借金嫌いの日本人にも受け入れやすい」と、次世代決済ツールとして国が推進し銀行などを中心に2000年、ジェイデビット(J-Debit)事業がスタートした。 金融機関のキャッシュカードで買い物ができるとPRされたこのジェイデビット、成功したとは言いがたい。クレカと違い、海外旅行先での利用やネットショッピングに対応していないのだ。 そこで登場した
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