神奈川県横須賀市にある戦艦長門の記念碑 北九州市若松区響町――ここに旧海軍駆逐艦「柳」「冬月」「涼月」の3隻が“軍艦防波堤”として外洋から打ち寄せる波を防ぐ“任務”に今なお就く。旧軍の遺物で戦後民間転用されたものはすくなくない。なかには今でもわたしたちにその姿をみせているものもある。 太平洋戦争の終戦に伴い、旧陸海軍は解体された。旧軍の解体により、戦車、軍艦、戦闘機に銃器、はては軍服に至るまで、軍が持つものすべてが無用の長物となった。 戦後の世になり、戦車は砲を撤去、武装解除してブルドーザーに。艦船は先に紹介した防波堤のほか、復員船や捕鯨船に。その他軍事兵器は溶かして鉄鍋にするなど戦後復興に役立てられたことは今ではよく知られている。軍服もスーツに仕立て直して着ていたくらいだ。 軍艦の捕鯨船転用は、旧軍所有の「第一号型輸送艦」が知られる。戦後間もない頃、日本は深刻な食糧危機に見舞われていた。