ヴェータラまたはヴェーターラ(Vetala)はインド、ヒンドゥー伝承に登場する鬼神。仏教では起屍鬼、屍鬼と訳され、また毘陀羅、迷怛羅と音写される。 概要 ヴェータラは死体に取り憑いてそれを動かし、怨む者を殺させる鬼神である。 その姿は肌が色黒で背が高く、ラクダのような首、象のような顔、牡牛のような脚、梟のような目、ロバのような耳を持つ異形で、ブータとともに墓場を跳梁する悪霊のような存在といわれる。 なお、ヴェータラは11世紀の説話集「カター・サリット・サーガラ」の物語に登場する以外では、マハーバーラタの補遺「ハリヴァンシャ」やプラーナ文献で僅かに言及される程度である。 ヴェータラが他の悪霊と一線を画す特徴として、しかるべき儀式を行ってヴェータラを供養することで、どのような願いも叶えられるという点が挙げられる。 それゆえにヴェータラという言葉には“死体を動かす呪法”という意味があるとされ、占