・淋しい場所(オーガスト=ダーレス) 殺人を犯すような恐ろしい怪物(実際、そのすさまじい描写はクトゥルーの邪神どもと比べうる)が出てくるだけの話なら、ただの怪談で終わっていただろう。怖い面だけでなく、明かりに追いやられていつしか消えていくという「淋しい」面も持ち合わせている点に、作者の優れたセンスを感じる。こういう多面的な魅力はアングロサクソン人の悪魔よりも日本人の妖怪に近いものがあり、それで我々はこの物語により一層引き込まれるのかな、と思った。 ・ポオ蒐集家(ロバート=ブロック) 元ネタであるポー作品のディテールをこれでもかと取り込む辺り、こっちの方がダーレスっぽい小説だな。これは、ブロックの仕掛けた高度な二重のジョークなのかな?つまり、単なるポーのパロディ小説に見せかけつつ、「俺も『模倣の帝王』ダーレス兄貴の真似をしてみましたよ(笑)」という・・・ ・女(レイ=ブラッドベリ) 男性作家
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