語は呪文。文は呪符。書物は呪具。足りぬ部分を埋めるのは、貴方様でございます――。時は明治三十年代初頭。気鬱を晴らそうと人気のない道を歩きながら考えを巡らせていた塔子は、道中、松岡と田山と名乗る二人の男と出会う。彼らは、ある幻の書店を探していた――(……)彼らは手に取った本の中に何を見出すのか? 移ろいゆく時代を生きる人々の姿、文化模様を浮かび上がらせる、シリーズ待望の第二弾! クリックして今すぐチェック ――明治の知識人の間で、うわさが流れている。 「古今東西どんな書籍でもあり、しかも買うことができる」という夢のような、幻のような書舗(ほんや)があるという。 明治時代に活躍したあまたの文学者や学者、政治家が詣で、陸燈台のようなその建物の中にぎっしりと並べられた本に驚嘆し、主人のとの幻想的な会話に魅入られ、彼らはひと時幽玄の世界へと迷い込む。蒙を啓くのは弔堂主人の一言。 ――「で、○○様は、
![京極夏彦『書楼弔堂』 一作目が驚異的に面白いが、実は二作目がもっと面白い。 - きんどう](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6f696a4e21dcb8fd2d10c34fa9fa0539e3a657c5/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fkindou.info%2Fwp-content%2Fuploads%2F2017%2F03%2F1703062.jpg)