ヒトの皮膚細胞からどんな組織にもなれるという万能細胞が作られるなど、いま医療・環境・食料・エネルギーの分野でバイオサイエンスが脚光を浴びています。その中、河野教授は、世界に先駆け、卵子だけを使ってマウスの子供を誕生させることに成功しました。無限の可能性を秘めたこの画期的な研究は、有性生殖の進化の謎やその制御メカニズムを解明するだけでなく、近い将来、治療に役立つことが期待されています。 単為発生技術改良でマウス卵子だけでの誕生成功率向上 2004年kaguya(マウス)により、世界で初めて卵子だけで哺乳類を発生させることに成功したが成功率が低かった。今回はマウスの遺伝子を操作し、30%以上の27匹が繁殖能力のある大人にまで成長した。 この研究は治療に必要な細胞や組織をつくりだす再生医療の研究にも役立つ大きな功績である。 米科学誌 『ネイチャー・バイオテクノロジー』に発表 河野教授「精子と卵子