豪華な食事と天然温泉 「まさかたった2年半で、老後のためにコツコツ蓄えてきた虎の子の3000万円を失うなんて、当時は夢にも思いませんでした」 こう語るのは、関東地方に住む70代の佐藤俊男(仮名)さんだ。俊男さん夫婦が、海辺のリゾート地にある高齢者施設に入居したのは今から3年ほど前だった。 50代で脱サラしてから、建設関係の会社を興して働きづめ、5年ほど前に事業は後輩に譲って引退していた。既に子どもたちもそれぞれの家庭を持ち、安心できる場所で夫婦そろって悠々自適の老後を送るはずだった。 「独立した子どもたちに迷惑をかけないためにも、一緒にで入居できる老人ホームでも探さなきゃね」 当時は、賃貸マンションに妻とふたりきりで暮らしていた俊男さん夫妻。今はともに健康だが、いずれはどちらかが介護が必要になるかもしれない。 そろそろ、本腰を入れて終の棲家を探そうか…。そう妻と話していた矢先に、長年の友人