今月まとまった、全米映画俳優組合と全米映画テレビ制作者協会の“暫定合意”。なかでも、俳優組合が特に訴えていたのは「AIからの保護の強化」でした。 今のAI技術では、俳優を若返らせることや、亡くなった俳優を再現することもできます。また、吹き替え版を演者・本人の声で再現することが容易になっていて、実際にそういった技術を使った映画がアメリカで公開されています。 そのため、AIの脅威が高まっているとして、100日間を超えるストライキが行われました。その結果、暫定合意書には、AIに関しては「俳優の見た目や声のデジタル複製を作成・使用する場合は同意が必要」「デジタル複製のみの出演でも、俳優は報酬を得る権利がある」と明記されました。 進化したAIは映画界を変えるのか。俳優が置かれた現在地とは。俳優・渡辺謙さんに聞きます。 (Q.渡辺さんも組合員だが、どんな思いでストと向き合いましたか) 渡辺さん:「新作