中国人をはじめとするインバウンド(訪日外国人の旅行)が急増している関西国際空港で、入国審査を担当する大阪入国管理局が悲鳴を上げている。円安などを背景に、今年に入ってアジアからの観光客がさらに増加、混雑のピーク時には管理職も動員して“非常時態勢”でしのいでいるが、押し寄せる観光客を前に焼け石に水だ。厳正さが求められる審査と迅速さとの板挟みのなか、あの手この手で混雑緩和策に奔走している。(有年由貴子) ■千人の列 5月下旬の平日、関西国際空港第1ターミナルの南入国審査場。午後0時半ごろ、中国や台湾などからの便が相次いで到着し、入国審査ゲートには、パスポートを手にした外国人観光客らが続々と並び始めた。 「メーク・ライン(列を作って)。メーク・ライン」「日本の方はこちらですよ」。旅行会社の添乗員や入管職員らの大声が飛び交う。 ベルトで仕切られた外国人向けのスペースは、あっという間に全長20